2024 3rd SEASON開幕に伴う環境調整により、現在のグローリー環境は2nd SEASONのものから大きな変化を遂げています。
竜血デッキも大きな影響を受けたデッキの一つであり、以前考察を行った記事からのアップデートが必要な状況になっています。
以前書いたグローリーモード向け竜血デッキに関する考察記事はこちら↓
本記事では、3rd SEASONの環境調整を経た10月のグローリー環境について触れた後、ヤンドーラの制限を受けた竜血デッキの最新編成について考えていきたいと思います。
2024 3rd SEASON開幕で示されたグローリー調整とその影響
10月の話に移る前に、昨シーズン(8月)におけるグローリーモードの使用率(棒グラフ)と勝率(折れ線グラフ)を少し振り返ります(8/31 新着オセロニア Meteor's Blueより)。
使用率を見ると、当時はサマー・パンドラやA駒の召喚スキルをふんだんに使用して爆速でオーダーCまで駆け上がるアナンと、ラティーナ(カメティ)、スゥ&ランタイ(周年ムーニア)のバフで上から解らせるラウナス混合が広く使われていた環境でした。そして実際の勝率ではツクヨミ、ギルガメッシュ、テレーゼ混合の上位3位が他のデッキに少し差をつけている、といった具合です。
これはシーズン開幕時の記事にもまとめましたが、支持を集めた/あるいは高い勝率を誇ったデッキの偏りに対して手をいれるべく、2024 3rd SEASONからはグローリー環境に以下の同デッキ制限が課されることになりました。
- 闘化スゥ+ラティーナ
- 闘化アナン+サマーブランジェッタ
- 闘化アナン+ナタリオ
- 闘化ツクヨミ+スプラ
- 進化ギルガメッシュ+ファナリア
- トゥアン+第2闘化ヤンドーラ
- 周年ムーニア+進化ランドタイラント
- 闘化アマテル+進化ペトラ
ここからは、これらの制限が各デッキにもたらした影響と、現状で選択されていると思われる代用駒を(あくまで私の個人的な目線で)書いていきます。
■ ラウナス混合デッキ
・闘化スゥ+ラティーナ同デッキ制限
散々暴れまわっていた闘化スゥ+ラティーナ(+ランタイ or 周年ムーニア)のバフ盛りの一撃ですが、そこに手が加えられることに。ラティーナは明らかなぶっ壊れ感があるので、考えられる対案としてはラティーナを外すというよりは、闘化スゥ→マツリとするのが一般的でしょうか。
マツリは設置直後の爆発力と永続性という強みがありますが、その一方で辺起きしないといけない点や、ラティーナとの相乗効果の薄さ(マツリもラティーナも1ターン後にバフを掛けるので重ねがけはできない)から若干マイルドになった印象があります。闘化スゥを失うことで初手出し枠が1つ減ってしまったのも地味に大きなポイント?
エンデガ/アラジン発動のタイミングで2ターンx1.3バフが掛かる圧力はやや抑えられたものの、それでも序盤からサブオーラを引かれてマツリやカメティのバフが乗ったエンデガはなかなか止められないものがあります。
代用案:闘化スゥ→マツリ
■ 闘化アナンデッキ
・闘化アナン+サマーブランジェッタ同デッキ制限
・闘化アナン+ナタリオ同デッキ制限
夏ブラとナタリオという2つの召喚駒を取り上げられてしまったアナン。残されたテンプレの召喚スキル持ちは、S駒のサマー・パンドラ(か絵心甚八)とA駒の闘化ニーヴとなりますが、これだけではやはり心もとないのでもう1つは召喚スキルを編成することが多いように見えます。その候補としては、エイプリル・あやめの追加がすぐに思いつくところ。
代用案:サマー・ブランジェッタ→エイプリル・あやめ
■ 闘化ツクヨミデッキ
・闘化ツクヨミ+スプラ同デッキ制限
個人的には、今回で最も影響が少なかったのではと考えている制限の一つ。
ツクヨミデッキによく編成されるS駒の召喚駒としては、3つの死魂虫を召喚できる桔梗の他、割と運要素が絡むものの1ターン後召喚が強いキング&ディアンヌもあります。そして、A駒の召喚枠には元々の神ブランジェッタや闘化ハルアキに加えて、ひな祭り・スプラやイベント駒の観光'22 ルルカ(コスト15)など、(無印)スプラの代替候補が豊富に存在しています。
中でも桔梗が、低コスト帯目線では単体でかなりのアドを取れることに加えて3つの召喚でオーダーCを安定させることができ、設置できるとかなり強いです。ツクヨミデッキは今のグローリー環境デッキの筆頭と言って良いと思います。
代用案:スプラ→ひな祭り・スプラ、観光'22 ルルカ(コスト15)
■ 進化ギルガメッシュデッキ
・進化ギルガメッシュ+ファナリア同デッキ制限
今年1月に九天玄女を取り上げられたグローリーのギルガメッシュは、それでも火力が高いと判断されたのかファナリアも出禁になりました。その枠の穴埋めとして、コスト15の正月ジャニーヤがダメージ上昇割合優秀とあって、代わりに編成されている様子が観測できます。
代用案:ファナリア→正月ジャニーヤ(コスト15)
■ 闘化ナルアダルアや進化テレーゼ混合など
・周年ムーニア+進化ランドタイラント同デッキ制限
リーダーを盤面に出すディザイア系の混合殴りデッキにはサブのオーラバフを2枚積むことが出来ますが、その2枚のテンプレだった周年ムーニア&進化ランタイに同デッキ制限が掛けられました。現状では、おそらく闘化マーリン(七つの大罪コラボ)で代用されるケースが多い雰囲気です。
進化ランタイに比べてHPがやや下がる他、ランタイと違って引いたターンから1.2倍は掛からずHPの減少に従ってバフ率が上昇していくタイプ(最大~x1.22)なので、試合を通じた火力の差は間違いなくあると思いますが、最後の一撃として放つエンデガ一発の火力に対してはそこまで大きな影響はなさそう?
代用案:進化ランタイ→闘化マーリン
■ 闘化アマテルデッキ
・闘化アマテル+進化ペトラ同デッキ制限
これも恐らく、最も影響が無かったと思う制限の一つ。元々S2枚制限のルールではそんなに強くない印象のアマテルで、グローリーで暴れていた記憶もないのですが、シズマの規制に準ずる形で適用されたんですかね?
サブSも進化ペトラではなく進化ウィブサニアあたりを入れている人が多かった個人的印象なので、これは実質的にほとんど影響ないのでは?
代用案:元々(?)進化ウィブサニア等
■ 竜血デッキ
・トゥアン+第2闘化ヤンドーラ同デッキ制限
影響大です。以下にも述べますが、代用駒はありません。
代用案:なし?
これらの調整で環境はどうなった?
上記の大規模な編成制限によって、8月時点の使用率トップ2だったアナンやラウナスが減って、ツクヨミとレオニスが頭一つ抜けた印象の環境になりました。
これは今月のある時点における使用率トップ5ですが、3位以下は変動があるものの上位2デッキは大抵この2つが占めています。
アナンとラウナス混合は結構減った印象で、順当に制限の影響を受けているような感じがします。アナンが減った魔単デッキの枠として、パズズと対面することがやや増えたような気が。
ナルアダルアやテレーゼ混合、ギルガメッシュなども依然として強いですし、ヨアケ、ディートリヒ、暗竜、マナなどもしばしば見る相手ではあります。
8月の勝率グラフでもやや下方に位置していた神殴りデッキは、増えたレオニスから出てくる進化ツクヨミがだいぶ辛そうな雰囲気がしますね。
さて、竜血デッキはどうなったでしょうか。
個人的な体感として、10月のグローリーにおいて竜血はかなり減っている印象があります。それぐらい全然マッチしないような。これはヤンドーラ制限の影響が大きかったことの表れなのでしょうか?
竜血デッキにおけるヤンドーラという存在
ヤンドーラは現在スキルバッジが付けられており、バフの倍率がx1.13と低めに設定されていますが、それでもフルフレアなどの火竜術スキルの火力のみでなく、十字火炎やフィンの全体火炎の表裏に乗っていたバフが取り上げられたのは結構影響が大きいと私は考えています。
竜血スキルのみで相手を削り切るには基本的に血が足りない(下記リンク参考)現在の竜血デッキでは、そのデッキ設計上、休息術等の竜血回復スキルの使用に加えて、与ダメの不足分を竜血消費のない火炎スキル等のダメージで補うか、火竜術等の火炎系竜血スキルにバフを掛けて実質的な竜血ダメージ効率を上げるという行為が重要な意味を持つデッキです。
オーラ火炎バフであるヤンドーラを取り上げられると、上述した不足する血への対応策のどちらにも影響し、火力不足と竜血不足の両方に陥る可能性が高くなります。
竜血デッキが血を支払いながら2,400の火力を出して攻撃し、血が不足しないよう休息術や防護術でひと呼吸おいて残量管理しながら戦っている中で、例えばツクヨミデッキの神単A駒は血の残量を気にしたり補充したりしなくとも2,200(ユウキや終盤のメリッサなど)の火力を出しつつ、リーダーが火力と回復の計6,800アドをオーラで取ってくるわけで、これではどうやっても対等なS引きでは勝つのが難しくなってしまいます。このようなパワーのあるデッキの速度に遅れないよう殴り合う展開になると、最終的に自傷に追い込まれるのが苦しい点です。オーダーDを阻害するためのアンチヒールも無いですしね。
現状では、サブ編成が可能なA駒のオーラ火炎バフはヤンドーラ以外には存在せず、かといってS2枚までのルールでSの火炎バフオーラ(ブライダル・アイリア)を使うのはやや抵抗があります。
では辺置きバフなら良いかと言うと、よりタイトな戦いのグローリーでは悠長にフレイムヘリオンを設置する暇がないという印象があり、さらには辺に置きたいロガテオや十字火炎との競合も懸念点です。
これらを俯瞰して見てみると、たったx1.13倍だったとしても、オーラで発動する火炎バフが果たす役割は地味に大きかったと思わざるを得ません。
調整の根拠と優先度が不明瞭?
もう一度、上の方で示した8月の勝率グラフを示します。ここでは、竜血デッキの勝率ラインを補助線として書き込んでいます。
今回のグローリーモードにおける調整は、例えばアナンには2つの召喚駒に制限が掛けられるなど、制限対象のデッキにそれなりの影響を与えたように見えます。その一方で、8月時点で既に勝率が頭一つ抜けて高かったツクヨミデッキには、代替候補が豊富にある中でスプラのみの制限に留まる比較的軽微な調整だったと言えます。また、上図に書き込んだ破線から分かるように、竜血デッキよりも高い勝率を持ったレオニスデッキには、何ら調整が加えられていません。
その結果として、ツクヨミとレオニスが環境上位を占めるという状況は至極当然というか、調整を素直に反映した環境になっていると評価できます。
一方で、これらの軽微な調整/あるいは無調整に留まった両デッキに対して、それよりも勝率が低かった竜血デッキから替えの効かないヤンドーラを没収するのは、調整の根拠と優先順位が不明瞭と言わざるを得ません。新シーズンの幕開けにあたってデータを示して環境調整の方針を説明するのであれば、その調整根拠も客観的なデータに基づき明確に、かつ合理的に説明できなくてはならないと私は思います。
さらにめぐみん&ゆんゆんも没収される
もう一つ、竜血絡みのトピックとして8月のこのすばコラボで実装されためぐみん&ゆんゆん(めぐゆん)が10月からグローリーで使えるタイミングとなりますが、実装と同時のタイミングでフルフレアとの同デッキ制限が掛けられてしまいました…。
フルフレアかめぐゆんを性能で選べと言われたらほぼ全ての人がフルフレアを選ぶと思われるため、めぐゆんは実質的なグローリー出禁になったというわけです。
コスト200無補正では枠が中々ないことを考えると低コスト帯が主戦場になると思われるめぐみん&ゆんゆんにとって、戦などのイベントを除けば、グローリーへの出禁はほぼロイヤルバトル専用機(シズマも補正次第ではあり得る程度)になってしまうことを意味します。
実際のところ、フルフレアとめぐゆんの両積みは瞬間火力が高いものの竜血消費が重く(両者で合計28消費はトゥアンで獲得する竜血の70%にもなる)、現実的ではないとは思います。とはいえ、そのように現実的には貧血による代償を受ける可能性が高い両積みを実装前から制限する必要があったのかは個人的には分かりません。ガチャで追っかけた人にとっては、なんとも残念な処置だと思います。
じゃあ、竜血デッキはどうする?
これまで、フルフレアとフィン構築が安定していた印象のグローリー竜血ですが、ヤンドーラが編成できないとなると別に火炎(聖炎・獄炎)に寄せなくても良い、という考え方も出てきます。
実際、火炎構築では当然相手を燃やす形に持っていくのですが、相手もそれは当然分かっているので、火炎を逃れる打ち筋への対処が(先攻では特に)難しいという問題がありました。
そこで今タームは、従来の闘化フィン構築に加えて、闘化真紅を編成した構築も試しています。
闘化フィン→闘化真紅の変更の他、十字火炎を3枚→2枚に減らしました。その代わりに、いつでも使えてシンプルに2,400ダメージを出せるセシルで手駒の安定を図った他、特殊ダメージがそれなりに多いレオニスやツクヨミ意識、かつどんなデッキからも飛んでくるフィニッシャーのヴァイセやエンデガを意識した闘化マロニィを採用してみました。
非竜血の火力を火炎に頼ることで特に先手が不安定な印象だった竜血デッキですが、シンプルに2ターン4,000火力が出る真紅を使うことで普通のコントロール系デッキと変わらない進行が可能になるのでは?という意図での編成となります。
今タームは、真紅編成とフィン編成を両方試して比べてみて、ヤンドーラ出禁時代のグローリーモードをどう乗り切っていくかを探っていこうと思っています。
番外編:今月のカップ戦報酬は待望の両面鏡鱗術!
10月のカップ戦「シュヴァンツクリーガー杯」の報酬駒・[樹上の民]ビッキーはなんと、個人的には待望の両面鏡鱗術持ち!
竜駒としては珍しい罠・魔紋的なスキルの鏡鱗術は、シールド的な色合いの防護術と並んで竜血デッキの大きな特色だと考えています。速竜にしろ閃撃にしろ、自分のデッキの戦い方を貫き相手に押し付けることが王道の竜デッキにおいて、竜血デッキの鏡鱗術と防護術は数少ない「相手と対話する」系のスキルです(閃撃の癒閃なんかも一部そうかもしれませんが、相手のダメージ種まで考慮した攻防というのは竜デッキにこれまで殆ど無かった要素かと思います)。
ファジュル、ワジュドに続く鏡鱗術スキルとして3枚目となるビッキーは、竜血消費3という省エネで通常・特殊ダメージを95%反射します。
火炎・毒コンバート等を除くと、ATKの低い神A駒でも900~1,000の通常ダメージは必ず発生するため、最低でも285~316.7 [ダメージ/竜血]という高効率な攻撃が可能であり、そこに特殊ダメージも乗ってくれば竜血消費あたりのダメージ効率はさらに高いものになっていきます。
貫通スキルや毒コンバートが入るフェリヤ混合デッキ対面ではやや使いづらいですが、神殴りデッキ対面などではこちらのHPが保つ限り実質的に1ターンの間は殴らせないという圧力を与えることができる駒になります。ハクタクで貫通されないのがワジュドとの大きな違いですね。
竜血を使う上では必ず持っておきたい駒になるので、今月のカップ戦はきちんと消費したいところ。使うのが楽しみですね!