先月に入ってからというもの、ラティーナ(混合デッキ)やナタリオ(魔単デッキ)がグローリーモードで使用可能になったこともあってか、従来からの神殴りやギルガメッシュなどに加えて、ナルアダルア混合やラウナス混合、アナンなどのデッキが増加しています。
火炎という強力なスキルの恩恵を受けられる竜血デッキとしては、立ち回りと手駒周り次第ではギルガメッシュはもちろん、召喚の絡むラウナスやアナンのようなパワフルなデッキにも強く出られることがあります。未だにフルフレアゲーみたいな部分は相当ありますが、火炎バフを引いた竜血デッキの火力は一級品ですので、今後A駒を中心に強化が進んでいくことを勘案しても、今からグローリーモードを竜血デッキで周回しておくのはありなのでは、と思います。
つい最近行われたオセロニアマスターズ#10でも、ヨアケが禁止された閃撃の立場を奪う形で飛躍が目立った竜血デッキにインパクトを感じた方も多いと思いますが、実際、竜血デッキはコスト200・低コスト帯の両方において、かなり戦えるデッキに仕上がってきていると感じています。
そこで今日は、グローリーモードで使える竜血デッキの一例と組み方の個人的な考え方を紹介しますので、参考になる部分が少しでもあれば幸いです。(1プレイヤーが言語化のためにまとめた、単なる1意見として受け止めてもらえればと思います。)
グローリーモードの竜血デッキ構成案(2024年7月時点)
火炎を主軸にしたデッキと、火炎オーラバフによる殴り性能に振ったデッキの2パターンの例を示しています。
ここからは、グローリーモードにおける竜血デッキの編成を考える際の考えるべきポイントを挙げてみました。
基本的な竜血デッキ編成の考え方としては、以前書いたこちらの記事も参照してみてください。
主要な論点
① トゥアン vs アースィマ
まず、竜血デッキのリーダーは現在実質2枚(配布のレイリリルカはあまりに厳しい)ですが、どちらを選択するか。
S枠が多いコスト200であれば、コンボでも若干火力を出せるS駒アースィマでX進行への耐性を得る、という考え方も無しではなさそうですが、S枠が2枚に限られる低コスト帯ではトゥアン一択で良いと思います。
3,000の通常ダメージしか出さないリーダーでS枠を1つ使ってしまうのは、低コスト帯では成立しない選択かなと思います。トゥアンでもヤンドーラを引いていれば3,000に迫る火力を火炎ダメージで出すことができますし、得られる竜血がやや少ない40でも休息術や非竜血スキルを効果的に使えば十分にやりくりできます。
② S枠どっち?:フィン vs 嫁アイリア
リーダーがA駒となるとS枠には2枚割くことができるので、これをどうするかというお話。
まず、フルフレアは確定です。現時点における竜血デッキの軸であり、この駒がいないと成立しません。
もう一枚は、全体火炎(聖炎)のフィンか30%火炎オーラバフの嫁アイリアが筆頭の候補に上がってくると思います。
フィンの全体火炎+2,000回復は召喚相手でなくとも流石に強力で、十字火炎を引くタイミングと燃やす立ち回りが噛み合えば盤石の強さを発揮できると思います。
コンボスキルのフレアヒールも超強力で、盤面にコン確で置くことができれば、スキル・コンボ両面で拡げられるアドは相当なものです。「非竜血スキルで火力をそれなりに出さなけれないけない」という竜血デッキの前提からしても、基本はフィン採用で良いのではと思われます。
別の候補であるブライダル・アイリアは、コスト200帯においては既に竜血に必須級になっているイメージがあります。
この駒を手駒に引けていると、フルフレアの最大火力が1枚返し7,302になり、コンボも最大5,200火球出るようになります。そのため、15,000を超える残りHPからでも2手飛ばしを狙っていくことができるという、神殴りもびっくりなリーサル範囲を持つことができるようになります。
この1発のリーサル範囲の広さにより、盤面で後手を踏んで十字火炎でうまく燃やすことができない/あるいはそもそも十字を手駒に引き込めないという多少不利な状況からでも、コン確さえ作れれば大抵勝ちに持っていけるという、ある種のゲームチェンジを行うことができるようになる点が大きな強みです。
加えて、火炎系のA駒の火力がコスト15~20級に底上げされる効果も見逃せず、初手から引けているとトゥアン、シーリーン、ヨシュアらの火球ダメージが3,000台に乗り、2枚中火炎が1ターンで2,080(3ターンで6,240!)稼いでくれるのも相手に大きな圧を与えます。仮にフルフレアを引けなくとも、ワンチャン殴り負けしない火力を手に入れることができます。
さて、ここからは個人的な感覚なのですが、フィン採用だと先攻では火炎の形に持ち込むのにやや苦労する(私の腕の問題も多分にあるのは認めます)ので、本来有利なギルガメッシュ対面などにもゴリ押しを許してしまうことがしばしばありました。その点で、嫁アイリア編成では、先攻で十分に火炎の形を組めなくともフルフレア1発で勝利まで持っていける上振れが強い印象があります。
7月のグローリーでは火炎系フィニッシャーのブライダル・いくまはまだ使用することができないため、フィニッシュはフルフレアとザーフィルの2枚に依存する割合が高いというのが現状であり、嫁アイリアは引けるけどフルフレアは引けない…という状況では、ザーフィルの火力は嫁アイリアの恩恵を受けないため、いずれにしても火力不足に陥ってしまう懸念があります。ブライダル・いくま君が使えるようになって、彼を含めた3枚のフィニッシャー(うち火炎系が2枚)という状況になれば、嫁アイリア採用の方がより誰でも使いやすい竜血デッキになりそうな気が個人的にはしています。
両方持っている人は、それぞれ試してみて好みで選べば良いのかなと思いますね。
othellonia-ron.hatenablog.com代替候補…カリン、ラステア、ガリアリィ・エウなど
その他には、ラステアやカリン、ガリアリィ・エウあたりの竜血駒も候補にはなるかもしれませんが、竜血消費がよりシビアになる点で運用がやや難しそうです。
③ フレイムヘリオン採用の是非
フレイムヘリオンを採用するかどうかも結構迷ったポイントです。考えるべき点はいくつかあって、例えば
- 相手を燃やせていない限り、設置する1ターンは何もしない点をどう見るか
- オーラだがバフ倍率が低いヤンドーラと、辺置きが必要だが倍率が高いフレイムヘリオン、どっち?
- ヤンドーラとフレイムヘリオン両積み?
あたりを中心に検討しました。
まず、設置するターンに何もしない問題ですが、フレイムヘリオンを序盤に置くことができ、そこからバフ抜きで12,000の火炎ダメージを出すことができると、自身の1.2倍火炎バフで2,400の上乗せを得ることができます。竜血デッキのA駒の平均火力がだいたい2,400とかそのあたりなので、それでフレヘリ設置時の遅れを取り戻せるという計算です。
12,000がどれほどかというと、相手2枚を中火で3ターン燃やしながらフルフレアとシーリーンを打てるとそれくらいの火力(11,700)になるイメージで、それなりに条件が揃わないと素直に竜血A駒を使ったほうが火力出るじゃん、ということにもなりかねないです。もちろん、2,400火力を竜血を消費しないで出せるのは美点ではありますが。
例えば、嫁アイリア編成でヤンドーラも積んでたりすると、火力を出したい終盤に辺置き駒が固まる恐れがあり(オーラ、オーラ、ロガテオ、フレイムヘリオンみたいな手駒)、噛み合わないとデメリットもそれなりに目立ちそうな気がしました。
一方でフィン編成では、S枠の関係で嫁アイリアが入らないこと、大火炎を作りやすいことなどを考えると、大火炎とフルフレアの両方に1.2バフが乗るなら1ターンを辺置きに費やす価値は十分にありそうです。
ヤンドーラとの選択/両積みについては、ちょうど神殴りデッキにおける金色フギムニとフェリタ&プティの関係にやや近いのかなと思いました。ヤンドーラは手駒に引くだけでバフが掛かりますが、ロック耐性の低さがあります。
バフ駒が多ければ当然火力は高くなりますが、手駒の回り方がぎこちなくなる点も加味する必要がありますので、この駒はデッキ構成や立ち回りを中心に検討し、辺置きに1ターンを費やす旨みがあるかで判断すれば良いと思います。
④ ヤンドーラ vs ランタイ
次に、サブオーラ枠としてヤンドーラかランタイか、の議論です。現状グローリーでは闘化ランタイは使用禁止のため、ATK x1.2の進化ランタイが前提となります。
A駒アタッカーのヨシュアを例に取ると、ヤンドーラの1.13倍火炎バフで2,400火炎→2,880火炎(差額480)、進化ランタイのATK 1.2倍バフでATK 1,179→1415(差額236)となり、ヤンドーラのほうがゲインが大きいです。フルフレアでの比較でも、ヤンドーラ1.13バフで4,500火炎→5085火炎(差額585)、進化ランタイ1.2バフでATK 1,482→1,742(差額290)で、やはり進化ランタイよりもヤンドーラ採用の方が価値が高いです。
さらに、ここに嫁アイリアやフレイムヘリオンのバフが乗ってくると、これらの倍率は積で効いてくるので、ヤンドーラ採用の効果はさらに進化ランタイよりも大きくなります。また進化ランタイはHPも低いです。
ヤンドーラの欠点として手駒ロックでの釣られやすさがありますが、S5環境で手駒ロックが刺さるコスト200に比べて、グローリーは下ロックが刺さりにくくリスクが低く、そもそも飛ばしたい場面で下ロックが来たらどっちみち負け、という割り切り(?)の下で、この2枚なら基本的にヤンドーラ採用で良いと判断しました。
例外ですが、ロマン砲のドラグウォリア採用の場合はランタイで良いかと思います!
⑤ 十字中火炎の枚数
別の記事にも記しましたが、現状の竜血デッキはリーダーの竜血展開スキルで獲得できる竜血だけでは相手デッキを削りきれない設計になっており、火炎などの非竜血スキルで火力を出すことが求められています。
othellonia-ron.hatenablog.com十字中火炎は、2枚を燃やすことができると3ターンで4,800というS駒級の総火力を竜血消費なしで出してくれるので単純に強く、2枚の火炎線を重ねることで大火炎を作り出すこともでき、さらに火炎を嫌がって取らせることでさらに十字火炎が刺さる盤面に誘導する使い方もするため、サカ、アベル、ハイサラマンダーの3枚とやや多めに編成しています。
その他のA駒の説明
竜血必須枠:ロガテオ
闘化ロガテオは、現在のところ竜血デッキの必須編成枠です。入れましょう。
初手出し枠:アイドル・ルイン、セシル
竜血はリーダーをまず場に出すタイプのデッキなので初手事故は基本起こらないのですが、自竜駒・相手駒参照スキルや火炎スキルなどできれば序盤に打ちたくない駒が多く編成されているので、案外2手目が事故る傾向にあります。
後攻風車なら2手目は辺置きになるので、ロガテオやフレイムヘリオン、ワジュドやヘケト等を引けていればとりあえずの事故回避ができるのですが、先攻なり打ち or 風車2手目は、取られるリスクがありロガテオなどは避けたい、ヨシュアやフルフレアは最大火力が出ず、シーリーンやザーフィルは打てず…と高確率で頭を悩ませることになります。
そんなとき、いつでも1,800を出せる火竜術を持っているアイドル・ルインは、竜血効率も常時225 [ダメージ/竜血]と高く、コンボもいつでも発動して効率も悪くない、とても使いやすい駒です。
また、セシルも2ターンながら発動条件が無いので、雑になり打ちしても2ターンのダメージを入れられます。スキルはバフの乗らない2400ダメージで竜血12消費と、やや竜血消費が重いですが、セシルの特筆すべき点はコンボの効率の高さで、最低300 [ダメージ/竜血]から417 [ダメージ/竜血]まで伸びてくれるという現在のS駒並の省エネさを備えています。コンボを積極的に使える場所に打てると特に効果的だと思います。
代替候補…馬狼照英、アル・マジュ、カロル
ブルーロックコラボの馬狼照英やストラクチャーセット産のアル・マジュは初手から元気枠ですが、馬狼照英はコンボの燃費があまり良くなく(167 [ダメージ/竜血])、アル・マジュはそもそもコンボ発動しない場面が多い(駒総数10枚以上条件)という渋さがそれぞれあります。
非竜血スキル駒の強駒カロルを、雑に切って使える枠で採用するのもありだと思います。カロルは2ターン火炎ダメージフィールドのスキル持ちで、例えば、先攻風車2手目に置くと2ターンともにダメージフィールドから外れますが、それでも合計1,600の通常ダメージは入れられます。
アタッカー枠:ヨシュア、シーリーン
竜血デッキは火炎バフを搭載することが多いため、火炎系のアタッカーを編成しています。ヨシュア、シーリーンともに、条件は付くもののスキルで2,400出すことができます。
A駒で2,400火力はやはり高く、試合の中盤に相手をゴリッと削っていく役割を担います。なので、彼らが発動する/最大火力になるタイミングまではなるべく切りたくないため、上述の初手出し枠がデッキ編成上、重要ということです。
代替候補…バーズ、ファーバオ
バーズはストラクチャー産としては珍しくスキルの竜血効率が良い駒ですが、いかんせん火力を出すのが難しいです。24,00出すには、盤面に自分の竜駒が4枚ある状態で使う必要があります。
ファーバオも同じく自分の竜駒がないと火力も竜血効率も悪い上、コンボもHP条件が付いているということで、なかなか制約が多く難しい駒です。
フィニッシャー枠:ザーフィル
今のところ、このデッキのフィニッシャーはザーフィルとフルフレアです。もうすぐここにブライダル・いくまが加わる予定です。
火炎バフは乗っからないものの、HP50%以下で単体4,700の固定火力を出せ、フルフレアやヘケトなどの強力コンボと合わせたリーサル計算が重要な立ち回りポイントとなります。
防御・妨害系枠:アビー、ヘケト、ワジュド
休息術スキルの中でずば抜けた性能のアビーは入れましょう。コンボも優秀。
闘化ウンディーネみたいな使い方ができるヘケトはコンボも強力で、序盤から最低1,500通常ダメージを出せて、ライフバ形式で火炎が3,000まで伸びるというものです。1発耐えてコンボ+フルフレアで飛ばす、という形で何度も助けられています。
手駒ロックをケアしたいコスト200では、ヤンドーラ下に調整したヘケト(Lv. 63, HP全振りで1,490)を使っていますが、グローリーではわざわざHPを減らすようなことはせず、調整なしを編成しています。
ワジュドはHPが1,587とやや低く(竜血A駒全27駒中16位, 2024年7月時点)、あまり入れていない人もいますが、通常140%返しは特に殴り対面で強力なので編成しています。
相手が防御駒を切った後など、アタッカーで固まっていそうな手駒の時に切ると、4,000ダメージぐらいの仕事をしてくれることがあります。
竜血消費は6と少ないため、仮に相手がそーーっとATK 1,000程度の駒を切ってきても1,400を返せるので、火力自体は低いものの効率は高水準なところが良いです。また、140%通常反射を嫌がって消してくることを見越し、相手の誘導にも使うこともあります。
ただ、貫通やコンバート対面にはただ血を減らすだけで何もしないので注意が必要です。神殴りのハクタクや混合のエアには無力で、さらに今後6月の強駒で登場した毒コンバートのアルルが解放されるタイミングで外しても良いかもしれません。
代替候補…闘化マロニィ、ハロウィン・アルフェッカ、日常・マナリアなど
特殊を2ターンカットできる闘化マロニィもありですが、現グローリー環境では非特殊ダメージ(火炎、雷撃、毒…)も潤沢で、刺さらない対面が多い印象があります。
ハロウィン・アルフェッカや枕投げマナリアの2ターン休息術をフィン構築に編成して、回復による耐久を高めるというのもシナジーはありそうで、特に盤面作りが上手い人が好んで編成している印象があります。ただし、どちらも竜血・HP回復量において1ターン完結のアビーを上回ることはできていないため、通常はアビー1枚でも良いのかなとも思います。この辺は好みで。
その他の編成候補…音楽・クリサラ、ドラグウォリアなど
音楽・クリサラは召喚するパピッシュが周囲中火炎を撒くことでトリッキーな動きが可能になるほか、竜駒参照が多い竜血スキルの性質と相性が良い召喚ということもあって、火炎枠として採用が視野に入ります。フィン採用の構成と特に相性が良いので、最近入れるようになり現在試運転してみています。
その他、ロマン砲・ドラグウォリアを剛竜術コンボやハイサラマンダーと繋げて「逆転オセロニア!」してみたり(笑)と、竜血デッキには様々な組み方の可能性があるので、ぜひとも自分好みの竜血デッキを開拓してみてはいかがでしょうか?
-------------------------------------------------------------------
【2024年8月21日追記】
この記事を書いてから、実戦を重ねて試行錯誤したこと、8月に入り婿いくまが追加されたことを受けて、現在では以下の形に落ち着いています。
【追記ここまで】
-------------------------------------------------------------------
終わりに
竜血デッキ、登場したての頃は正直「このデッキ、なんだか冗談みたいに弱いなー」と思っていたのですが、今や十分に強化が進み、グローリーモードでもかなり戦っていける性能になっています。現に、最近の競技シーンでは竜デッキの1stチョイスの立場をシンシア閃撃から奪ったようにも見えます。そして、重要なポイントとして、使っていても結構楽しいと感じます。
素の火力も高いですし、防御や妨害などの要素も備えていて、相手の進行を見て打ち手を変える戦略性やPSの介入余地が他のデッキよりも多い気がします。
現状、スタメン候補の駒が季節駒やコレクションガチャなどに散らばっており、デッキ構築難度はなかなか高いように感じますが、それでも楽しいデッキなので、是非とも駒を少しずつ揃えたり代用を工夫したりしながら、遊んでみてほしいデッキだなと個人的には思いますね。