5月の強駒パレードで登場したティパーは、神駒6枚以上のデッキ条件を持つ通常攻撃アタッカーです。
この条件から、主に神殴りと混合殴りが編成デッキの候補となります。
本記事では、ティパーを他の神殴り・混合殴りデッキ向け駒と性能比較し、この駒が果たして既存の駒のアップグレードになり得るのかどうかを分析していきたいと思います。
新強駒ティパー
ティパーの基本的なプロファイル
プラスを振った状態でHPは1650、ATKは1052。自分の盤面のキャラ駒が1枚、つまり初手出しで1.6倍の通常攻撃を与え、盤面に2枚以上で最高火力の2倍となります。速攻竜デッキのバンディー、捕食魔殴りデッキの温泉アイシェのように、初手出しでもそれなりの倍率を確保でき、2枚目以降で最大倍率となるタイプですね。
神殴りデッキの駒と比較
神殴り向けのA駒としては、S駒を上回る火力を出せるエンデガ・アラジンはやはり別格で、ティパーはその他の枠を争う形となります。
比較対象として挙げたのは、ブラダマンテ*、クラリーチェ、エクレル、金色エクレル、ピリカというテンプレ候補の駒に加え、低コスト帯のルールで採用されることが多い闘化フェリタ&プティとアイドル・エンデガ、そしてあまり見かけませんが通常ダメージ駒の枠でゼルベリオです。
この中で最も高い火力を持つのはブラダマンテ*(ミァン)で、エンデガ・アラジンを除く神殴りデッキのAアタッカーでは頭一つ抜けた高火力です。先攻初手で打てない点とコンボがバフでなく回復である欠点を考慮しても、火力的には現状で代えが効かない駒の一つです。
個人的には、神殴りデッキにおけるティパーの置き換え対象候補は金色エクレル、クラリーチェ、エクレルあたりになるかと考えています。
金色エクレルはステータス・最大火力ともに優秀ですが、チャージが必要な点が考えものです。
神殴りデッキにおける雑切り枠
神殴りデッキの編成上の特性として、雑に切れる駒が多くないという点があると思います。辺置きしたいミューズやシェムケリー・リンガットのシールド駒、HP50%以下で発動するエンデガ・アラジン、HP満タンでは出せないブラダマンテ、リーサルずらしに抱えておきたいフェイルノート、自駒が溜まって打ちたいクラリーチェ、ルイン・獄炎やロック対策に握っておきたいピリカなど、盤面や相手の動きを考えると自由に動かせる駒はそれほど多くないのです。そうすると、金色エクレルの枠は真っ先に雑に切られる駒になることが多く、無チャージではピリカより火力が出ず、ティパーの火力を上回るには2回のチャージが必要になる金色エクレルは、ティパーの入れ替え候補の一つかなと思います。コンボも1.2上昇の最大1.6倍と、やや低めな水準です。
クラリーチェもティパーと同じく盤面に自キャラを必要とするタイプの駒で、自キャラが1枚(初手出し)、2枚までの火力はほとんど同水準です。クラリーチェの自キャラ3枚以上となるときの最大火力3272はティパーとの差別化ポイントですが、前述のように終盤にかけてのアタッカー枠はエンデガとアラジンが担当することになるので、序盤~中盤の枠としては実際の火力面でクラリーチェとティパーは同じ場面が多い可能性があります。コンボの使いやすさ(ティパーは自傷がなくx1.6~x1.8出せる)と特殊ダメージ罠への耐性を考えると、クラリーチェの入替えも視野に入ってきます。
エクレルは好みが分かれる駒ですが、個人的には評価している駒です。弱点としては、コンボスキルが通常攻撃依存で、他のアタッカーとの相性が良くはなく、中でもハクタクのスキルには何もしないという明確な点がある一方で、いつでも盤面に出すことができ、初手から火力が3000を超えるという良さもあります。終盤の火力はエンデガ・アラジンで十分すぎるほどと考えると、初動の安定やデッキの潤滑剤のように機能できるエクレルがいると非常に助かるので採用しています。私はこの手駒運用への好影響がコンボの欠点を上回っていると判断しているため採用していますが、ティパーをこの枠にしてもある程度同じような運用ができるとは思います。
ピリカは火力こそ高くないものの特殊鼓舞を持っており、テュポーンなどのデバフ系スキルへの耐性が得られる点と、無調整で正月蘭陵王下のATKにできるという個性があります。
その他の駒に関して、闘化・フェリタ&プティは、主にオーラの方のフェリプティが禁止されているグローリーなどのルールなどで見かけると思いますが、手駒ロックを掻い潜れる点で優秀だと思います。
アイドル・エンデガも同じく蘭陵王下のATKを持ち、初手から3000以上を出せる優秀な駒です。ですがコンボスキルにHP発動条件があり、初手出しからなり打ちの進行になった際に、コンボが発動せず出遅れる展開が想定されるのでその点がちょっと微妙です。同様のことは、コンボに12枚以上の駒数条件が付いている正月オキクルミにも言えることです。
自キャラが1枚でも場にあれば最高パフォーマンスのティパーはそんな神殴りデッキの初動を安定させることができ、コンボも1.7程度は比較的出しやすく、特殊罠を回避することも可能であるなど、神殴りデッキにおける金色エクレルやクラリーチェなどの駒の代替として十分に機能する性能だと考えられます。
混合殴りデッキの駒と比較
混合殴りデッキの神属性のアタッカー枠としてもエンデガはやはり別格で、スタメン枠として採用されている印象が多いブラダマンテ*、クラリーチェ、バレンタイン・ピリカ、ユンジェ、ハロウィン・エクレルに加えて、稀に見かけるかどうかという納涼ダフネや音楽ダフネといった駒を比較対象としています。
ブラダマンテ*やクラリーチェとティパーを比較する場合の論点も基本的には神殴りのときと同様です。付け加える点べきとしては、クラリーチェのATK(プラス振り時)は周年ムーニアと同じであり、クラリーチェが手駒の左側にいる時にロックを打たれると無調整では周年ムーニアが釣られてしまう点です。その点、ティパーは周年ムーニア下のATKを持っていることが良いです。
ここ最近の混合デッキは、鬼滅の刃コラボの甘露寺蜜璃や強駒ラティーナなど強い竜駒が増えており、エア、周年グエリアスを採用するとそれだけで竜が4枚になってしまうことから、竜5によるHP低下を避けるためにサブオーラとして周年ムーニアを採用する風潮にあります。S5環境が戻ってきたことで手駒ロックの編成優先度もまた上がってきたことから、バフオーラ下にできるステータスは丁度よいと言えます。
混合デッキと神殴りデッキの編成バランスの違い
続くバレンタイン・ピリカやハロウィン・エクレル、ユンジェは、混合デッキにおける初手出し枠です。
混合デッキと神殴りデッキを比べた場合、混合はリーダーが基本的にはS駒(ラニ・混合フェリヤ)で、A駒リーダーの神殴りよりも1枠少ないです。また、初手から雑に切れるS駒の数も1枚(スゥ採用)あるいは0枚(マツリ採用)の混合に対して、神殴りは2枚(ハクタク、神フェリヤ)を初手から切ることが可能です。さらに、終盤火力はエンデガ・アラジンのA駒2枚で担保できる神殴りに対して、混合デッキではエンデガ・エアがメインフィニッシャーとなります。
これらの違いを考慮すると、混合デッキはイシュタルやエアを抱えながら勝負のタイミングでこれらを切っていくという運用を行う必要性があり、序盤からハクタクや神フェリヤを気軽に出していける神殴りデッキに比べて、A駒に与えられた初動の安定化の役割はより重要であるとも言えます。
その意味では、盤面に自キャラ3枚でやっと最大パフォーマンスのクラリーチェ、初手出しが難しいブラダマンテ*の編成優先度は神殴りほど高くなく、バレ・ピリカ、ハロ・エクレル、ユンジェのうち1枚は必ず編成したい駒だと考えています。
咆哮スキル持ちの音楽ダフネは別枠として、チャージが必要な納涼ダフネは、同じくチャージスキルのエアや甘露寺蜜璃と競合して手駒を圧迫しかねず、採用を躊躇してしまう要因となります。
個人的には、ブラダマンテ*とクラリーチェを抜いてバレンタイン・ピリカとティパーを編成した混合デッキを最近使っています。エンデガ以外は特殊ダメージを発生させず、特殊罠を起動しないようにリーサル範囲まで削ってエンデガで飛ばすという立ち回りが可能なデッキです。通常攻撃がメインということで、最近登場した混合殴りの超強化パーツ、ラティーナの召喚駒カメティとの相性も良いものになっています。
まとめ
新強駒ティパーは、火力よりも総合的な使いやすさに主軸が置かれた駒で、神殴りデッキや混合殴りデッキの特に序盤から中盤にかけての立ち回りをスムーズにしてくれる位置づけの駒だと思います。コンボも終盤にかけてx1.7以上狙っていけるのは優秀で、スタメン候補として採用できる性能だと思われます。