オセロニア「論」

思考や情報の整理のために書いていきます。

【逆転オセロニア】アルベルティーネ登場で楔デッキは新たなステージへ?Deck Drive ~再雷の楔~ まとめ

今月22日から開催されているDeck Drive ~再雷の楔~にて、天楔デッキの強化となる6キャラが追加されました。中でも注目なのは新しい天楔スキル「殊楔」を持つSリーダー・アルベルティーネと、楔を消費しないどころか生成する超優秀なAアタッカー・紬葵(つむぎ)の2キャラです。

本記事では、注目の2駒を中心に、本イベントの新駒を見ていきたいと思います。

楔デッキの新Sリーダー・アルベルティー

これまで天楔デッキといえば、ディートリヒ(タクハタチヂヒメ)をリーダーとしたオーラ天楔デッキと、闘化ウィブサニアをリーダーとした召喚型の天楔デッキ(ウィブ天)がありました。

ディートリヒも、ウィブサニアが召喚する砂時計も、どちらも天楔スキルを持っていましたが、アルベルティーネは「殊楔(しゅけつ)」という新スキルを有しています。したがって、アルベルティーネのデッキはもはや「天楔デッキ」と呼ぶには相応しくなく、「殊楔デッキ」あるいは単に「楔デッキ」と呼ぶのが正しいのかなと思います。

今どき「ザマス」とな?

6ターンの楔生成にオーラ火力を上乗せ

アルベルティーネの殊楔スキルは、6ターンの期限付きながらディートリヒと同様に2本ずつの楔生成を行いつつ、盤面の楔本数に応じた最大500の特殊ダメージを与える(楔本数x50ダメージ、計10本で最大に到達)というものです。

日常ヴェークロストやエルヴィン団長(コラリー)などの天楔スキルを使用せず、アルベルティーネ本人の楔生成のみに頼った場合、かつ生成した楔が踏まれなかったとすると特殊ダメージは100, 200, 300…と増加していき5ターン目に上限の500に到達します。この場合、従来の天楔による継続スキルに加えて合計2,000の特殊ダメージを6ターンまでに与える計算となります。

オーラ天楔デッキは楔の継続ダメージを中長期的にしっかり入れていくやや準耐久に近い色も持ち合わせていましたが、アルベルティーネの殊楔デッキは6ターンの期限付きで火力を上乗せしているので、より短期の勝負にも対応できる性質を持っていると考えられます。

注意すべき点としては、リーダー火力が楔本数に強く依存しているため、早めの神雷スキルやコンボにより楔本数を大きく減らしてしまうと火力の落ち込みがある点、天楔ミラーで相手に楔を上書きされると相手に局面が傾きやすくなる点等が挙げられます。

概算だけでもかなり強い

詳しい分析はまた別の記事に書こうと思いますが、以前ディートリヒが生成する楔の継続ダメージを試合ごとにカウントしてみたデータがありますので、そのデータを元にアルベルティーネの特殊分を含めた火力をざっくりと概算してみましょう。

その手元のデータによると、楔の踏まれ具合にもよるものの、ディートリヒが生成する楔による累積のダメージは短い試合で2,000~3,000程度、8ターンでも4,500~5,500程度であるということが分かっています。

アルベルティーネの楔生成は6ターン限定ですが、盤面上の継続ダメージであるという楔の性質を踏まえると、試合終了までのせいぜい1ターンか2ターンの間、終盤の2本ずつの生成が減ることによる累積ダメージへの影響はそれほど多くないと考えています。そこで、ここではディートリヒのリーダー火力を5,000火力と仮定し、そこから終盤の楔の生成ストップ分をざっくり500減と見積もって、アルベルティーネの楔による累積ダメージを8ターン最大4,500火力と仮定しましょう。

ここに殊楔の特殊ダメージを加えると、仮に他の天楔スキルを全く打てなかったとしても上記のように最大2,000程度の上乗せが得られ、アルベルティーネは8ターンで最大6,500程度の合計火力をもたらすことが期待できます。

この6,500という火力は、盤面に出すターンを消費しない神属性のリーダーオーラとしてはどうなのか、試しに他のリーダーと比較してみます。

VS 闘化ツクヨミ

同じ神単条件の超強いリーダーの代表格、闘化ツクヨミは全てのオーダーを達成すると6,800アドバンテージを得られます。その内訳には2,500回復が含まれており、純粋な火力としては4,300火力です。さらに、ツクヨミのアドバンテージは
オーダーを達成できない場合や回復に合わせてアンチヒールを置かれた場合、アドバンテージはさらに減少します。

VS 闘化アナン

オーラスキルとして破格のアドバンテージを誇る闘化アナンは全オーダー達成で7,800アドバンテージで、内訳は5,700火力と2,100回復です。しかし、魔単デッキのため神単デッキよりもHPが15%ほど低く、さらにオーダーDの発動はその低いHPの30%以下とかなり厳しい条件なので、オーダー未達成に終わるリスクはツクヨミよりも高いと言えます。

VS 闘化アマテル

神10~15枚条件の闘化アマテルはスキルで5,000雷撃ダメージ、コンボスキルで最低2,500雷撃ダメージ(ボルトマギア形式)と、気軽に7,500以上のアドバンテージを取ることができるリーダーであり、S5、S6構成のサブ駒達の火力と合わせてアグロ進行で一時代を築いた駒です。しかし、この駒はリーダーオーラではなく盤面に出すことを必要とするため、その1ターンでもう1駒出すことができるリーダーオーラの火力とは分けて考える必要があります。

 

…と、このように考えてみると、高HPを持つ神属性オーラで6,500火力を叩き出すポテンシャルを持ちながら、必要に応じてその楔を神雷スキルで消費して瞬間火力に変えることができるアルベルティーネのデッキは、6ターン限定という印象以上に強いのではと思われます。

加えて、日常ヴェークロストやゼウスなど、他の天楔スキルを序盤に打って楔を早くから増やすことができれば、殊楔の特殊分2,000ダメージは最大3,000まで盛ることが可能で、楔の累積ダメージの増加分も含めてアドバンテージの増加速度にさらなる勾配をつけることが可能になります。

リーダーとしての仕事がせいぜい5,000程度と、環境のインフレに対してやや厳しくなってきていた感のあるディートリヒ(オーラ天楔)デッキに、さらに約2,000~の火力上乗せをすることで一気に環境リーダーと肩を並べる・凌ぐレベルに強化してきたアルベルティーネの殊楔デッキは、元々のサブ駒達の火力の高さ(S駒, A駒ともに)を背景として、今後環境において主要な役割を果たしていくのでは、という気がしてなりません。

超高性能Aアタッカー・紬葵(つむぎ)

今回のDeck Driveのもう一つの目玉といえるキャラが、新スキル雷楔を持ったA駒アタッカーの紬葵(つむぎ)です。

規格外に強いと言ってよい楔生成兼アタッカー

雷楔スキルは、殊楔の雷撃ダメージ版という感じで、楔を生成しながら楔本数に応じた雷撃ダメージを与えます。紬葵は楔を1本生成した後、その時点における楔本数x400の最大2,400雷撃ダメージを相手に与えます。オーラ天楔・殊楔デッキにおいては、盤面に3本以上楔がある状態で使えば最大火力を出すことができます(リーダーが生成する2本+紬葵の1本が追加されて計6本となるため)。

初手出し火力は1,200(リーダー2本+紬葵1本の計3本)に留まりますが、2ターン目に出せば(1ターン目の楔が踏まれていなかった場合)すでに2,000火力に達し(2+3=5本の楔となる)、大抵の場合3手目には最大の2,400火力に到達するというスピード感です。楔生成が速いウィブサニア天楔では2手目から早くも最高火力が出せるのではないでしょうか。

加えて、紬葵は楔1本を生成するので、そのターンの与ダメは実質的に2,500雷撃ダメージであり、また楔は継続ダメージ源でもあることから、その後に盤面に残り続ければ紬葵の火力への貢献はターン経過ごとに100ずつ増えていきます。この1本の楔は、アルベルティーネの殊楔スキルの火力も上乗せするなど、新リーダーとの相性も完璧です。

これは明らかに、神属性のA駒のスキルとしては強力すぎると言ってよいものであり、今後の天楔・殊楔デッキにおける必須駒と言えそうです。

試しに、楔デッキに入る可能性がある他のA駒と比較してみます。

vs ユウキ

神単条件。1,000特殊+自キャラx300雷撃(最大1,200雷撃)で最高2,200ダメージを与えますが、自身を含めて盤面に自キャラが4枚必要です。召喚デッキでなければ最高火力が出るまで時間が少し必要。

vs クリスマス・イオフィエル

神単条件。HPの4%自傷して自傷分の220%雷撃ダメージを与えます。デッキHPが31,000時、1,240の代償を受けて2,728の雷撃ダメージを与える計算です。雷撃ダメージのみで火力も高いですが、代償が痛い場面もしばしば。

vs エミリオ

神単、楔デッキ条件。盤面に楔が3本以上で発動、最大3本を消費し、消費本数x800で最大2,400雷撃。楔を3本消費します。消費するんです。すなわち、楔減少によりその後のスリップダメージが1ターンにつき300ずつ減少します。

 vs 糸雪

神単、楔デッキ条件。盤面に楔が3本以上かつ魔駒が無いときに発動、最大5本を消費し、消費本数x800で最大4,000雷撃。楔を5本消費します。瞬間火力は驚異的な高さですが、楔減少によりその後のスリップダメージが1ターンにつき500ずつ減少します。

 

…上記の比較でわかる通り、2,400(というか2,500以上)という雷撃火力を発生する条件としては異例なほど軽く、手軽に、かつ素早く殴ることができる性能が目立ちます。

紬葵の数少ない弱点といえば、楔駒らしくHPがやや低いところぐらいでしょうか。それを踏まえたとしても、楔デッキには必ず編成される駒であることは明らかですね。

新S駒トライプ

トライプは3ターンの殊楔スキルを持っており、アルベルティーネの殊楔デッキに相性良好なS駒です。

ディートリヒの武器を売り払った前科の持ち主らしい

盤面に楔1本以上で発動で、3ターンの間楔を2本ずつ生成しながら、楔本数x300の計算で最大1,000の特殊ダメージを与えます。

発動条件がターン開始時に楔1本以上なので、仮にトライプがその楔を踏んだとしても、リーダーが生成する2本+トライプの2本の計4本となり、1,000火力は保証されるという計算になります。

トライプが直接与えるダメージは3ターンで3,000ですが、盤面に撒かれる計6本の楔が(理想的には)200, 400, 600, 600…と毎ターンダメージを与えることになるため、実質的な合計火力は進化ウィブサニアのイメージに近いと思います。

コンボスキルも楔生成を伴う雷楔で、2本生成した後、盤面の楔本数x400上昇で最大3,500の雷撃ダメージを与えるものになります。ターン開始時に5本あれば、リーダーの2本生成(ただしアルベルは6ターン目まで)とトライプのコンボの2本で合計9本になって最大の3,500火力となる計算です(だと思います)。例によって、楔は盤面上の継続ダメージになりますので、実質3,700火力+α(後のターンの継続分)となることに注目です。

序盤に設置すればするほど強く、スキルによる楔の継続ダメージが着々と積み重なりますし、アルベルティーネの特殊ダメージも持ち上げる効果がある一方で、終盤に引いてしまうと1ターンにたった1,000しか出ない火力と2本の楔生成の意味の薄さに悩まされることになりそうな気はします。

とはいえ、アルベルティーネをはじめとする楔デッキの苦しい対面である天楔ミラーにおいて、楔本数のブーストを掛けながら火力を出していけるのは頼もしい存在だと思いますね。

新A駒レーシィ

周年イシュケと全く同じ効果のスキルを持っている

楔1本以上で発動する、1ターンの間1,200回復+ATK15%ダウンのリポーズスキルを持つA駒レーシィです。

スキルの効果自体は、魔6以上条件の周年イシュケと奇しくも同じ内容であり、もしくは水光姫の2ターンの回復をぎゅっと1ターンに凝縮したような効果、とも言えると思います。

いくらアルベルティーネが短期戦向きだと言っても、盤面の楔による継続ダメージが入る以上、余分に1ターン多くもらえる可能性のあるリポーズスキルは有効であり、特にロイヤルなど低コスト帯のルールで活躍しそうな雰囲気があります。

コンボは2,000まで伸びるコインオルス形式の雷撃ダメージです。

相手のリーサルずらしや、楔の天敵・遠夜を1ターン分やり過ごすなど、火力駒にはできない役割を担うことができます。

HPも比較的高く(1,679)、水光姫の1,705、周年イシュケ1,727(魔6枚以上条件)には敵わないませんが、ステータス高さも◯です。

新A駒ポーキュ

槍投げヤマアラシとは!?

エネサンダースキルに殊楔コンボを持つA駒ポーキュです。

スキルの火力は最低800の特殊ダメージで、相手のキャラ駒の数に応じてx600で上昇し、最大1,000の雷撃ダメージも加わり、最大1,800火力です。

とはいえ、上の紬葵の項目で紹介した他のA駒との比較でもわかる通り、火力がややしょっぱいです。コンボスキルも、盤面に楔10本でやっと2,000の特殊ダメージとしょっぱいものの、楔を生成するのは偉いと思います。

カップ戦等の低コスト帯専用だと思われます。

新A駒ラハトナーダ

いまいち使い道が…

スキルは最大1,800のアドが取れるリバーサルヒール、コンボは相手の最大HP参照の雷撃ダメージです。

初手が事故りがちな楔デッキにおいて初手出し可能なリバーサルヒールは偉いですが、合計アドが1,800というのは無視されるリスクのあるリバーサルヒールとしてはかなり物足りないです。無視された場合、単に800の特殊ダメージを与えるのみに終始します。

また、コンボスキルに重めの楔3本以上条件が付いていることで、序盤に発動しない可能性が高く、せっかく初手に出せるスキルを持っていても並行打ちやX打ちされるなど、序盤のアドを稼がれる足がかりになる危険性を有しているのは非常に残念なところです。

正直、今回の新駒の中で最も使い所が分からなかった駒になります。

レウネアが闘化解放!

だいぶ昔に登場した(2019年4月の強駒パレード)物理殴りの神アタッカーだったレウネアが、今回のイベントに合わせて闘化解放されました。

レウネアが闘化解放された

楔3本以上で発動する、2ターンの1,000雷撃ダメージです。魔デッキのファビオというか、闘化ゲールノートというか、そんな駒の雷撃版みたいな性能をしています。

楔条件がスキル、コンボともにやや重く、他の駒が優先されそうな印象ではありますが、低コスト帯や駒が揃っていない人にとっての選択肢にはなりそうです。

まとめ

以上、Deck Drive ~再雷の楔~の新駒について見ていきました。従来の天楔デッキをもう一段階ブーストするような、とてもわかりやすく、ワクワクするような楔デッキ強化だったのではと個人的には思います。

次回の記事では、新リーダーS駒、アルベルティーネのもたらす火力を過去のデータより算出し、詳細な考察を加えてみたいと思います。

【追記】→ 書きました!

othellonia-ron.hatenablog.com