2024 3rd SEASONに入ってからというもの、ペトラ+スゥの同デッキ編成制限が課されて神デッキにはやや厳しい状況かと思いきや、進化スピカの使いやすい性能により神単デッキにやや注目が集まっている感があります。中でも、しばらくアマテルに取って代わられていた感のあるツクヨミデッキが、再び人気再燃の兆しを見せているようにもみえます。
そんなツクヨミデッキ、私自身も今年の4月にフェイルノートと同デッキ制限による弱体化を受けるまでは結構使っていたのですが、ずっと気になっていたことがありました。
それは…「初手ブランジェッタ、決まらなすぎじゃね!?」案件です。
皆さんの中にも、なんとなく感じたことがある方がいるのではないでしょうか?
そこで本記事では、初手の神ブランジェッタがうまく決まらないのが単なる思い込みなのかどうかについて、少ないN数ながら検証してみましたので報告します。
初手ブラガチャ?
ツクヨミデッキが持つオーダースキルは、試合中に定められた行動をすることでアドバンテージを取っていくスキルですが、その中で最も達成のハードルが高いのが「コンボスキルを3回使用する」というオーダーCです。
相手が普通に打つ場合、初手の神ブランジェッタは比較的高い確率(50%あるいは66.7%)でコンボ確定の位置にゾノバを召喚でき、序盤にしてコンボ回数を1回稼ぐことができることから、一部で「神ブラガチャ」とか「初手ブラガチャ」などと呼ばれたりします。
前提条件
ツクヨミデッキ使用時において、試合開始の手駒に神ブランジェッタがあった場合には必ず初手に打つようにしました。期間は2023年11月29日~2024年3月30日の約4ヶ月間、全ての試行回数は全56回(先攻30回、後攻26回)です。
統計を取るにはサンプル数が少なすぎ、この結果をもって何かを言うのには不十分だということを承知しつつ、参考データとしてまとめてみました。
初手神ブランジェッタの結果
先攻時
先攻初手では、ゾノバの召喚されうる位置として、下の図で言うC4, D3, D4の3箇所があります。(ちなみにE4から打つのは私の手癖です。一般的にはD5から打つ人が多い?)
上図において、D列のどちらかにゾノバが召喚された場合、それを消そうとするとX打ちか並行打ちというややイレギュラーな進行を選択せざるを得ないため、多くの場合相手は普通にC5に置いてきて、その場合ゾノバは残ってしっかりと2ターンの間仕事をすることができます。次手で召喚位置に応じて風車進行かなり打ちを選択することで、2手目にしてコンボを1回稼ぐことができます。
しかし、ゾノバがC4に召喚されてしまうと、相手は進行を変えることなく召喚を消せるため、ほぼ100%即座に取られてしまいます。
すなわち、先攻初手において期待される神ブラガチャの成功確率は2/3、約66.7%となります。
では、実際の試行結果はどうだったのでしょうか。
30回という少ない試行回数においては、召喚の成功確率は約53%と想定より低くなってしまいました。データを取りながら、漠然と「初手ブランジェッタが何故か決まりにくいな」と思っていましたが、実際にその感覚に沿ったデータとなっていたのは少々驚きです。
もちろん統計的に収束するには圧倒的に少ないN数なので、もっとデータを積み重ねて検証する必要があるのは言うまでもありませんが、このように偏りがある状況では「初手ブラガチャは決まりにくい」という印象を抱いても不思議でない測定結果となっていたということが分かりました。
後攻時
後攻の初手で神ブランジェッタを打つと、ゾノバの召喚位置として以下の図の場合にはC3, C4の2箇所があります。
上図でC3に召喚される場合、相手としては特に意識することなく風車進行、もしくはなり打ちでゾノバを消すことができるので、ツクヨミ側としては召喚失敗の位置付けとなります。
C4召喚の場合、ゾノバを消す進行は兎定石と呼ばれる耐久対面で使われる進行か、もしくはX打ちとなりますが、いずれの場合にもゾノバは取れるものの結局神ブラ本体とのコンボを稼がれてしまうので、相手にとってイレギュラーな盤面進行を選択するメリットがそこまでありません。特にX打ちは、耐久力のあるツクヨミ相手に選択するのは勇気が必要です。したがって、C4召喚の場合、次手でC2もしくはF4でコンボ可能なのでツクヨミデッキ側からすると成功になります。
すなわち、後攻初手の神ブラガチャ成功確率は1/2、50%です。
実際の測定ではどうだったのかというと、全26回の試行のうち、成功、失敗ともに13回できれいに50%という結果となりました。こちらは少ないN数ながら理論値に一致した実験結果だったということになります。
初手に神ブランジェッタを打つという行為
神ブラが召喚するゾノバは2ターンのルインスキルを持っており、本来であれば2ターンしっかりと仕事できるよう、ある程度盤面の駒が増えた時点で打つタイミングを見計らって打ちたいところ。
しかし、ことツクヨミデッキにおいては、序盤からコンボを稼いでいけることはオーダーCを前倒しする上で非常に大きな意味を持つため、仮に1/3あるいは1/2の確率で即時に消されてしまうとしても、相手がバフデッキでなければ個人的には積極的に狙っていきたい手となります。
ただ、高確率で2手目からコンボを決められる代わりに、失敗すればたった800の火力しか出ない一手となってしまうため、文字通りまさに「ガチャ」という呼称は言い得て妙だなと思いますね。
今季は進化スピカの追加によりツクヨミデッキが扱いやすくなったと感じているので、また神ブラガチャのデータ蓄積を行っていこうと思っています。ある程度データが集まったら再度記事にする予定です。