オセロニア「論」

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【逆転オセロニア】2024 3rd SEASON開幕!新シーズンの対戦環境調整まとめ

2024 3rd SEASON開幕に際して対戦環境調整に関する様々な情報が発表され、中でも特に2nd SEASONに環境で強さを誇ったアマテルデッキと、強いデッキが目立ちデッキ間の均衡が崩れたかに見えたグローリーモードを念頭に、手厚い調整がなされた印象を受けました。

そこで、新超駒御三家の第一印象についてまとめた前回の記事に続き、2024 3rd SEASONにおける対戦環境調整についてまとめていきたいと思います。

othellonia-ron.hatenablog.com

2024 3rd SEASONの環境調整まとめ

前シーズンは調整が足りなかった!

冒頭、前シーズンの調整不足を率直に認めたけいじぇいP。

2nd SEASONの調整不足は運営も認めるところ

これは皆さん感じていたと思いますが、2nd SEASONの環境はコスト200のシーズンマッチ、コスト180のグローリーモードともにやや強いデッキが目立ちすぎていた感があります。

2023年12月31日配信の新着オセロニア!Zodiac 2024より

もともと年初に2024年の環境調整方針として、コスト200は調整ひかえめ、コスト160~180は積極的に調整すると宣言していましたが、コスト180の調整も結局シーズン切り替えのタイミングで行われており、シーズン内のデッキパワーバランス変化に対しては何も手を打ててなかったという側面は少なからずあると思います。

シーズンマッチ(コスト200)の環境調整

まず、2nd SEASONの最終環境振り返りということで、1,000位以内プレイヤーに限定したダイマス無補正の8月における勝率・使用率グラフが示されました。

アマテルデッキが突出した使用率を誇った

これによると使用率は断然アマテルが突出しており、2位・3位の混合殴りと神殴りを合わせたぐらいの割合で選択されています。

勝率も62.4%と1位で、シズマ1,000位以内のある程度経験を積んだユーザであれば、ダントツの使用率からメタ(遠夜や特殊・雷撃罠など)が行き渡っていても、平均しても60%以上は勝てるパワフルなデッキであるということを示しているデータです。

個人的に興味深いなと思ったのは、毎月シーズンレポートで公開されるダイヤモンドマスター全体のアマテルデッキの勝率(だいたい55%前後)と、この上位1,000位以内に限定した場合の勝率62.4%とに小さくない乖離があることです。

シーズンレポート(7月)

このことは、アマテルデッキが単にS駒投げだけのデッキなのではなく、盤面進行や手駒の選択などPS介入の余地がそれなりにあるということを示しています。確かにランカーの人が使うアマテルデッキと対面した際には、とても嫌な形でS駒のコンボ圧力を受けながらの進行を強いられるイメージがあるので、パワーの高い殴り系デッキと同様に、きちんと性能を発揮することで全体平均よりもさらに一段高い勝率を叩き出せるポテンシャルのあるデッキなのだと思います。

そして、このデッキの圧倒的なパワーを実現する大きな要素がS5以上編成となっていましたが、それはすなわち相手に取ってみるとSの過剰出現による体感の悪さとなっていたという側面もありました。

さて、この圧倒的支持率のS5・S6アマテルとそれに立ち向かう殴りデッキというような構図の環境において、やはりアマテルデッキは少々やり過ぎだったということで、以下の調整が入ることとなりました。

アマテルデッキを念頭にがっちり調整してきた

この前書いた記事には、②か③のいずれかの調整がなされる予想を立てたのですが、その両方に加えて、さらに①のS駒4枚編成制限まで提示するなど、3つの調整の合わせ技でかなりがっちりとS5・S6アマテルデッキを念頭に置いた調整をしてきたな、というのが個人的な印象です。

othellonia-ron.hatenablog.comでは、1つずつ見ていきます。

① S駒4枚まで(ダイヤC以上)

まず1つ目は、S5・S6アマテルデッキの構成自体を縛る、S駒4枚までの編成制限です。

シズマ環境のS4制限は4月に1度試験導入された後、チャンピオンシップ(CS)のROUND 1のみ適用とされ、シーズンマッチはS5以上編成を許容という形で4ヶ月運用されましたが、今回ダイヤモンドC以上のシーズンマッチにもS駒4枚までの制限が適用されることになります。

これは確かに、S駒の高HP・高火力化と、A駒に迫る性能のB駒の増加等が進行している現在の駒環境を考えると、ある意味で仕方の無いことなのかもしれません。アマテルに限らず、どんなデッキでもS5・S6構成のデメリットをメリットが上回る可能性が高くなってきており、編成する駒の組み合わせではなくデッキのフォーマット自体に制限をかけてしまおう、という考え方です。

S5・S6環境とS4環境では試合スピードが結構違うので、S4環境に戻ると若干息を吹き返すことになるデッキが存在します。ツクヨミやヨアケ閃撃、天楔などある程度時間が掛かる前提のデッキや、ゴリ押しに捕食が間に合わないと厳しくなる暗黒竜デッキなどがそれらに該当すると思われます。ただ、S4環境では殴りデッキも息がしやすくなるため、そう単純にはいかないとは思いますが。

② 闘化アマテル+進化ペトラの同デッキ使用制限

2つ目は、アマテル+ペトラの同デッキ制限です。

これは、既になされている進化リアンツィールと進化ペトラの同デッキ制限との整合を取るためのもので、「あちらはダメなのにこちらは良いのは何故なんだ」という、尤もな疑問に対応するものです。

むしろ何故登場時に制限が無かったんだ?というのが不思議なぐらいです。リアンツィールは初手に打てば相手HPに応じて約4,000~約6,000の特殊ダメージを与えるのに対し、リアンツィールよりもHPが700近くも高いアマテルは、序盤から終盤のいつ打っても5,000の固定ダメージを干渉されにくい雷撃で与えることができ、さらに長期戦を見た継続火力の選択肢まで用意されているというのに。

ともかく、初手ペトラ、2手目アマテルでHPが50%近くにまで削られ「ふぅ、なんとか致命傷で済んだぜ(吐血)」となることはもう無くなりました。

③ 進化スゥ+進化ペトラの同デッキ使用制限

3つ目は進化スゥと進化ペトラの同デッキ制限です。

スゥ以前の神デッキ向け汎用神S駒は、4,500出るけど3ターン掛かるウィブサニアや、4ターンのキンマモン、爆アド取るけど火力は2ターンで3,200のトゥールラ、2ターン召喚→コンボの連続パンチで爆アドを取っていくフェイルノートなど、アドも取れる代わりに即時性にはやや欠ける、というのが基本的なコンセプトでした。

唯一といって良い?例外は、5%という安めの代償を受けて4,500程度の瞬間火力を出せる進化ペトラです。トールは当時スキルバッジが付けられており、実戦で見る機会はほとんどありませんでした。

そこに登場した進化スゥは、相手キャラ数参照で1ターンに最大4,500火力を出すことができ、しかも特殊と雷撃で分割ダメージ、コンボも雷撃という、干渉するのがより難しいダメージ形態を持っているという駒でした。実質2枚目の瞬間火力駒、スゥの登場からS5ツクヨミが目に見える形で暴れ出し、先シーズンはS5、S6アマテルがその座を引き継ぐなど、ゴリ押し系神デッキ流行のきっかけとなった駒だと見ています。

進化スゥ+進化ペトラの同デッキ制限により、高HP高耐久の神デッキが瞬間火力でも殴ることはやや難しくなりましたが、バッジ解除されたトールやハルモニアなど、これまでと同じとは言わずとも代替候補は一応いることには留意する必要があります。

グローリーモード(コスト180)の環境調整

続いて、より調整志向、競技志向の色が濃いグローリーモードの環境調整に入る前に、現状の確認がありました。

使用率はアナンやラウナス、勝率はツクヨミギルガメッシュ、テレーゼが高かった

先月までのグローリーは、アナンやラウナスの強さを評判としてよく聞いており、使用率はそれらが1位、2位を占めていましたが、勝率が最も高かったのはツクヨミでした。勝率はツクヨミギルガメッシュ、テレーゼという順でしたが、それらとアナン、ラウナスを含めた上位陣の勝率差はごく僅かに見えます。

竜血デッキも上位陣に肉薄していて嬉しいですね!現に実感として、これらの上位デッキと対面しても遜色ないレベルで渡り合うことができていました。

グローリーモードでは、これらの上位デッキのパワーが少し抜けて高いということで、計8組み合わせの同デッキ使用制限が課されました。

  • 闘化スゥ+ラティー
  • 闘化アナン+サマーブランジェッタ
  • 闘化アナン+ナタリオ
  • 闘化ツクヨミ+スプラ
  • 進化ギルガメッシュ+ファナリア
  • トゥアン+第2闘化ヤンドーラ
  • 周年ムーニア+進化ランドタイラント
  • 闘化アマテル+進化ペトラ

これらの制限により、従来の上位デッキは代替駒の選定を迫られることになり、相応のパワーダウンを強いられることになりそうです。

また、ロイヤルバトルの環境に追従する形で、回復効果アップのバレンタイン・ララノアに対するリーダー制限も課されました。

環境調整に関する新たな取り組み

その他、今シーズンから環境調整に関する新たな取り組みとして、下記3点が説明されました。

① シーズン区切りを待たず調整を実施

より細かく環境に介入していく方針が示された

これまでの環境調整は、特にCSとも関連するシーズンマッチについて、基本的にシーズン区切りごとに介入する、ということになっていました。この調整頻度が、恐らく「2nd SEASONは調整不足でした」とも関連すると思うのですが、4ヶ月に1度の環境調整では新駒追加に伴う環境変化のスピードについていけなくなってきていたのは事実です。

先シーズン内に起こった変化として、シズマ環境ではポルカの追加をトリガーにS6アマテルデッキが増えましたし、グローリー環境では4月に登場し6月にグローリー実装されたぶっ壊れ召喚駒・ラティーナや、ティパーやアルルなど使いやすい混合パーツの強化がラウナス混合を強化した他、闘化ニーヴ、夏ブランジェッタと併用でオーダーCを強烈にサポートするナタリオがアナンを遥かに使いやすくするなどしました。

近年、特定のデッキが短期間の間に集中的に強化されて環境デッキ入りするということが目立ち、その結果として強くなったデッキが数ヶ月間暴れることで他デッキのユーザがヘイトを溜めるという一連の事象に対し、従来の調整頻度では対応が困難な部分がありましたが、今回の新方針によって特にグローリーモードにおけるこのような不満の改善効果が期待できるものだと思い、とても良い方向性だと感じました。

② 2024 3rd SEASON環境に関するアンケートを実施

環境調整結果に関するユーザアンケートを実施

続いては、環境調整に伴うユーザアンケートの実施です。

従来は意見を述べる先がゲーム内のお問い合わせやご意見・ご要望フォームしかなく、バグ等の報告でないそれらの意見に対してどれだけ向き合ってもらえるかは不明瞭なところがありました。

今回、このようにアンケートを実施するとしてユーザの声に耳を傾ける姿勢を表明したことは一定の評価ができると思います。特に、逆転オセロニアはコミュニティドリブンの運営スタイルをずっと標榜し、それを対外的に誇ってきたゲームなので、ユーザの声を拾い上げるアンケートはもっと早くから実施して良かったのではと個人的には思います。

③ 新キャラ追加ガチャ初日はシズマ無補正

ガチャ初日は新キャラ試行のための無補正に

3つ目は、新キャラが追加されたガチャの初日に、シーズンマッチが無補正になるというものです。

これまでシーズンマッチは基本的に木曜日、日曜日が無補正でしたが、補正があると駒やデッキの評価が難しいということで、新キャラ追加のガチャ初日には曜日に関係なく無補正が適用されるということのようです。

私自身、新キャラを搭載したデッキを試したいのに、その日に限って不利な補正でシズマに潜れずモヤモヤを抱えるという経験が何度もありましたので、これも良い取り組みだと思いますね。

これは、新キャラを獲得したプレイヤーの他に配信者等へも配慮したものだということで、なるほどと思いました。配信者の方こそ、新キャラの使用感をいち早く配信したいという気持ちと補正がマッチしないという経験が何度もあったと想像できるので、これは待ち望んでいた対応なのではないかなと思えます。

そして、その配信が他のユーザの購買意欲を煽ってオセロニアの売上に繋がるのであれば、ある意味で非常に合理的な施策だなと思いました。


以上、2024 3rd SEASON開幕に伴う環境調整について、一通りまとめた上で感想などを述べてみました。今回の調整に加えて、新御三家の新たなリーダー性能も相まって、対戦環境にそこそこ変化が生じてきている実感があるので、新シーズンも楽しんでいきたいと思います。